脱炭素社会へ

近年、北極の氷山が解け海面が上昇し水没しそうな島国があったり、ヒマラヤの氷河が解けて流れ出しダムが決壊したり、日本においても、予期せぬ大水害で地域が大被害を受けることが頻繁に起こったり、何日も消火できない大火が起こったり、干ばつ害虫の発生食料の不足が危惧されたり、砂漠から舞い上がる黄砂の襲来があったり、それらがみんな地球温暖化によるもので、その原因が温室効果ガスの過剰な排出によるものだとされています。

菅総理大臣は、就任後初めての所信表明演説で、脱炭素社会の実現に向けて、「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」と表明されました。

「排出を全体としてゼロにする」ということには、カーボンニュートラルすなわち排出の埋め合わせをするという含みがあり、「温室効果ガスを排出する設備であっても必要不可欠であれば埋め合わせして活用できる」と解釈できます。

しかし、今は「気候非常事態宣言」が発せられ、ニュートラルでは現状維持で、非常事態を回避できない現状です。

温室効果ガスの中でも一番影響がある炭酸ガス(CO2)は、炭素が燃えて出るガスで、人々の生活の近代化を支え、現在なお人々の生活に密着するエネルギーの源となる電気やガソリンの原料である石炭や石油、天然ガス酸素と反応してエネルギーを出すとき排出されます。

地球は元々多くの炭酸ガスで覆われていて、それが徐々に薄まって生き物が生存できるようになり、その生き物がだんだん多くなり、死んで地中に埋もれ石炭や石油に変化し固定され、生き物の生活と地球の環境がバランスしていました。

人類が現れ進化するうちに石炭や石油を掘り出して使うようになり、眠っていた炭素を燃して炭酸ガスを排出バランスを崩してしまって、現在に至ったものと考えられます。

樹木など植物は太陽光のエネルギーを得て光合成を起こし、炭酸ガスと水を炭水化物と酸素と水に変えて蓄え、植物や動物など生き物は、呼吸をして酸素を取り入れ蓄えた炭水化物を酸化して生じるエネルギーで活動し、炭酸ガスを排出します。

炭酸も酸素も、私たちが生きるために、同じように必要な元素です。

生き物が暮らせる地球を守るために、炭素だけを悪者扱いせず、私たちの責任として炭酸ガスのバランスを回復するように頑張りましょう。